明石の上、浮舟

「源氏物語」の中でも一際知的で理性的な女人として描かれている「明石の上」今回は峰琴会の方がたの公演にゲスト出演でした。「明石の上」は箏・語り・唄に合わせての舞という形です。私は芝居仕立てにして舞わせて頂きました。「明石の上」の佇まいをその舞台に置くことが出来れば、と思いました。動き過ぎず、舞過ぎず、、、観客の方がたが箏の音、語り、唄、を聞かれながら舞台に「明石の上」が存在している。源氏を思い、自らの思いを自らの決意で忍ばせる思いと成す女人。そんな女が息づいているように舞いたいと思い。そう演じ、舞いました。そして、「浮舟」幾度も舞い続けて来ました。今回より振付を変えました。源氏の「浮舟」でありながら地唄・筝曲特有の色を濃く描いているこの「浮舟」二人の男の間で揺れ動く心、思い、、、消え行くような心と恋心、、、それを描くには翻弄される女の儚い心と姿を表現したかったのです。紗に光物が揺れ動く薄い浅葱色の掛けに裾引きは少し濃いめの浅葱に、帯は玉虫色に蝶をあしらったものに。消え行く女人の設えにしました。今回も4m50の寒冷紗に光源氏と六条御息所の歌を金泥と墨とでぼかしの雲井を描きその上に墨に金泥を筆に含ませて仮名書で書きました。これは私が独自で作り上げた金泥で、仮名書をバックからライトを当てると墨が浮き上がり、正面からライトを当てると金が浮き上がります。それを舞台の上手下手に流しその前で舞いました。舞台を終え楽屋で片付けていると「書の説明をして欲しいとお客様の要望です」と言われ再び舞台へ。仮名書は読めない。確かにそうです。そして皆様に一文字一文字説明をさせて頂きました。皆様とても熱心に聞いて下さり突然舞から書家への変貌でした。でも皆様が喜んで下さった事有難かったです!!!また頑張ります。
| 公演報告 | 17:43 | comments(0) | - | pookmark |

兵庫県立美術館公演

リハから中島貞夫監督が入って下さいました。まず私の書、4m50の寒冷紗に六条御息所と源氏の和歌を仮名で二枚書きました。夫々を監督が美術としての背景に位置決めをしてくださいます。そしてリハに入ります。まずは地唄「黒髪」今回も前帯で舞います。そして麻植さん、岩坂さんのコラボ。県立美術館の土地にちなんで「敏馬神社」に今もある人麻呂と旅人の万葉からのイメージで、、、そして額田王を舞います。最後に「天の火」監督は照明、解釈についても理解度を観てくださいます。眼光がものを言われる。で「よし!!」と言って頂けると本当に安心です。何十年と映画の世界の第一線で監督として多くの作品を手懸けられて来られた方の言葉には重みと深さと張り詰めた緊張感とがあります。だから「よし!!いいよ!!」と言われた時は本当に安心して舞台に臨めます。有難いと心からそう思います。そして本番。やはり緊張します。何時までたってもこれは慣れませんね。でもこの緊張がたとえ様も無く好きですけどね。満席のお客様。後ろには立ち見の方も居られたようです。地唄「黒髪」女の心のしどけなさ、やるせなさ、、、それを古典の持つ品格の中に舞染めてゆく。難しいけれど好きな演目です。次は「額田王」今回は後の「天の火」をメインに持ってきましたので重くならずに大海の皇子との「蒲生野」のシーンを主に描きました。今後額田王はじっくりと創り上げたいと思っています。そして「天の火」狭野弟上娘子と中臣宅守の凄まじい恋の始まりから終焉の物語。恋うる心「風の章」から恋の成就、引き裂かれた思い慟哭「闇の章」果てしない闇の中から女が見出す一条の光「霊の章」―情念から菩薩へ―と題して舞ました。「闇の章」は哀しみから果てしない慟哭そして火のようになる情念、、、燃えたぎり、燃え尽き、闇の中へ、、、「霊の章」深い闇の中から見出す一条の光、、、私はこのとき菩薩となろうと思いました。微動だにしない芯の体、幽かに舞う手、、、心、、、そしてやがて光の中へ、、、新たな舞の表現に出逢いました。また次なるところに向かいます。お世話になった県立の方がた本当にありがとうございました。麻植さんの十七弦・三弦。岩坂さんのキーボードでのコラボによって万葉の世界が創れました。これからも互いに精進を重ね又創り続けて行きます。
| 公演報告 | 22:56 | comments(0) | - | pookmark |

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