2008.06.22 Sunday
明石の上、浮舟
「源氏物語」の中でも一際知的で理性的な女人として描かれている「明石の上」今回は峰琴会の方がたの公演にゲスト出演でした。「明石の上」は箏・語り・唄に合わせての舞という形です。私は芝居仕立てにして舞わせて頂きました。「明石の上」の佇まいをその舞台に置くことが出来れば、と思いました。動き過ぎず、舞過ぎず、、、観客の方がたが箏の音、語り、唄、を聞かれながら舞台に「明石の上」が存在している。源氏を思い、自らの思いを自らの決意で忍ばせる思いと成す女人。そんな女が息づいているように舞いたいと思い。そう演じ、舞いました。そして、「浮舟」幾度も舞い続けて来ました。今回より振付を変えました。源氏の「浮舟」でありながら地唄・筝曲特有の色を濃く描いているこの「浮舟」二人の男の間で揺れ動く心、思い、、、消え行くような心と恋心、、、それを描くには翻弄される女の儚い心と姿を表現したかったのです。紗に光物が揺れ動く薄い浅葱色の掛けに裾引きは少し濃いめの浅葱に、帯は玉虫色に蝶をあしらったものに。消え行く女人の設えにしました。今回も4m50の寒冷紗に光源氏と六条御息所の歌を金泥と墨とでぼかしの雲井を描きその上に墨に金泥を筆に含ませて仮名書で書きました。これは私が独自で作り上げた金泥で、仮名書をバックからライトを当てると墨が浮き上がり、正面からライトを当てると金が浮き上がります。それを舞台の上手下手に流しその前で舞いました。舞台を終え楽屋で片付けていると「書の説明をして欲しいとお客様の要望です」と言われ再び舞台へ。仮名書は読めない。確かにそうです。そして皆様に一文字一文字説明をさせて頂きました。皆様とても熱心に聞いて下さり突然舞から書家への変貌でした。でも皆様が喜んで下さった事有難かったです!!!また頑張ります。